人生の3大資金を知ろう(老後資金)
リンダ・グラットン著の『ライフ・シフト』では、これからを生きる私たちは、長寿化の進行により、100年以上生きる時代、すなわり100年ライフを過ごすこととなると述べられています。
人生100年時代が到来し、会社をリタイヤした後の人生は、余生ではなく第2の人生になります。
あなたは、第2の人生をどこで、どんなことをして、暮らしたいでしょうか。
趣味や旅行をめいっぱい楽しむ時間と体力がある一方で、理想の生活には、お金が必要になります。
老後の生活費の支えとなるのは、公的年金です。
現役時代に加入していた年金制度に応じて、国民年金や厚生年金を受け取ることができます。しかし、この年金だけでは生活費を十分に賄うことはできません。
高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの世帯)
実収入 237,659円(そのうち社会保障給付216,910円)
非消費支出(直接税や社会保険料など) 30,982円
消費支出 (食費や光熱水費など)239,947円
出所 総務省統計局 「家計調査報告(家計収支編)2019年」
調査結果によると、毎月約33,000円ほどの不足額が生じていることが分かります。
夫が100歳になるまでの不足額を単純に見積もると、年間約40万円の不足が35年続くことになりますので、少なくとも1,400万円以上は不足することになります。
さらには、妻の余命分の生活費、理想の生活を送るための資金、家のリフォーム代や介護にかかる費用なども考えると、さらに多くのお金が必要でしょう。
充実した老後を送ることは誰しもが望むことだと思います。しかし老後のために今を生きる自分の楽しみを我慢することは、豊かな人生を送る上では本末転倒です。
老後のライフスタイルに合わせていくらお金が必要なのか、将来、どのくらいの年金を受け取ることができそうなのか、退職金はいくらもらえそうなのかなどを確認し、老後生活に必要な資金を計算してみましょう。
住宅資金や教育資金は、相続して家を引き継いだり、子どもがいなかったりする場合などは必要ないこともありますが、老後はだれしも等しくやってきます。直前になって慌てることのないように、現在の生活を充実させながら、できる範囲で老後資金の準備を早めに始めることが大切です。