お金の価値と使う上で考えるべき大事なこと
1日の中でお金のことを1度も考えないで生活している人はほとんどいないと思います。
衣食住に必要な支払いや趣味のための支払い、ケガや病気の際の支払い、老後資金の蓄えなど、日々の暮らしの中で欠かすことができない道具です。家計だけではなく、企業や国の存続のためにもお金は必要で、現代社会のあらゆる場面に関わってきます。
暮らしや経済や社会にとって必要なお金ですが、私たちは必ずしもお金に対して合理的な決定をすることができるわけではありません。合理的な決定ができないと、必要なお金を失い、人生で叶えたい夢や希望が遠のいてしまう可能性もあります。
今回は、そんなお金についての価値を知るとともに、お金を使う上で考えなければいけない大事なことについてご紹介します。
お金の価値とは
生活する上で欠かすことが出来ないお金ですが、お金自体に価値はありません。お金を使うことで得ることができるモノやサービスの価値を表しているに過ぎません。遥か太古の時代では、欲しい物があれば物々交換をするしかありませんでした。お金はモノやサービスの価値を評価、交換しやすくする道具なのです。
お金のもつ特徴
お金自体に価値はありませんが、次のような特徴があるため、とても役に立ちます。
交換の手段として利用できる
お金と交換して自分の欲しいモノやサービスと交換できる
価値を測る尺度になる
違うモノやサービスをお金に置き換えることによって、価値を測ることができる
価値を貯める
食べ物などと違い腐ることはなく、今すぐに使わない分は貯めておき、必要なときに利用することができる
こうした特徴をもつお金があるからこそ、食べたいものを食べ、着たいものを着て、住みたい場所に住み、余暇を楽しみ、新しいことに挑戦し、専門性を高め希望する職に就き、万が一の場合や老後のために貯蓄をし、望む人生を送ることができます。
お金が生み出す問題
お金はほとんどどんなものとも交換することができますが、その特徴が大きな問題を引き起こすことがあります。それは、お金に関する決定、言い換えれば、お金の使い方についての問題です。
お金はほとんどどんなものとも交換できるといっても、欲しい物をすべて手に入れるわけにはいきません。お金を使うということは、欲しいモノやサービスを手に入れる代わりに、何か別のモノやサービスを手に入れることを諦めることと同じであることを必ず考えなければいけません。あるものにお金を使えば、そのお金は今もこれから先も、他の何かに使うことはできない、こうした考え方を機会費用といいます。
例えば、カメラが趣味の人が20万円のソニーの一眼カメラを購入する場合に、私が「ソニーのカメラを買ったら具体的にどんな製品やサービスを買えなくなりますか」と質問したとしましょう。
おそらく大多数の人は、「キャノンやニコンといった他に検討していた他社製品のカメラが買えなくなる」「交換式レンズが購入できなくなる」といった具体的に買おうとしているものの機会費用について答えると思います。
しかし、「家族での旅行をあきらめることになる」「レストランでの外食を我慢しなくてはいけなくなる」「購入を予定している住宅の頭金が少なくなる」「資格取得のための講座費用が足りなくなる」など、そのお金があればこの先あったであろう、いろいろな経験やモノの購入とを天秤にかけることが十分に機会費用を考えたうえでのお金の使い方になります。
機会費用を考えて賢く支出しよう
現代社会には、クレジットカードや電子マネー、住宅ローン、自動車ローン、スマホの分割購入など支出が将来に与える影響が分かりづらいものが多くあります。
日々の生活の中で、支出するたびに機会費用を考えるのは難しいことだと思いますが、例えば1ヶ月分のレシートを保存しておいて、自分のお金の使い方の事後チェックを行うことで、必要のない支出や本当にやりたいことや欲しい物のために諦めるべき支出などが浮かび上がってくるかもしれません。
賢く支出して、充実した生活や将来への蓄えにつなげていきましょう。