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住宅ローンについて知っておこう(住宅ローンの借入先)

住宅ローンをどこで借りるかはとても重要です。借入先によって、金利や選べる支払方法が違ったり、保証料や繰り上げ返済にかかる手数料がかからない場合もあります。

 

マイホーム購入時に不動産会社から提携ローンを紹介されることもあると思います。提携ローンは審査がスムーズであったり、金利の優遇があったりする場合がありますが、借り入れる金融機関によって、支払総額に数百万円の違いが出る可能性もあります。

 

そのため、少しでも有利で自分に合う住宅ローンを選ぶためにも、借入先についての基礎的な知識を押さえておきましょう。



住宅ローンは大きく分けて2種類



住宅ローンは、住宅金融支援機構などが行う公的ローンと銀行などの民間金融機関が行う民間ローンの2つに分けられます。

 

住宅金融支援機構は、2007年4月に住宅金融公庫を引き継いだ独立行政法人で、民間金融機関と提携したフラット35の取り扱いが主要業務になっています。

 

公的ローンには、勤務先で財形貯蓄をしている人が利用できる財形住宅融資もあります。

 

住宅ローンを借りる際は、フラット35、財形住宅融資、民間ローンから選ぶことになります。それぞれの特徴をみてみましょう。



フラット35の特徴

 

・全期間固定金利型、金利は取引金融機関によって異なる

・借入額100万円以上8,000万円以内 住宅購入価額の100%まで

・返済期間最長35年

・保証人、保証料不要

・繰上返済手数料無料

団体信用生命保険は任意加入  

 

フラット35で扱う金利タイプは固定金利のみのため、固定金利での借入を考えている方は検討の余地があります。

 

また、繰上返済をする際の手数料が無料である点もポイントです。インターネットを利用した手続きをする場合、10万円以上から返済可能です。

 

団体信用生命保険への加入が任意である点もポイントです。団体信用生命保険は、住宅ローンの支払い中に死亡等で支払いができなくなった場合、生命保険金で住宅ローンの残高が完済される保険です。民間ローンでは原則、加入が融資条件であるため、保険に加入できない方、他の生命保険等でリスク対策をしたい方には大きなメリットになります。

 

他に、省エネルギー性や耐久性などに優れた住宅を取得する場合に、フラット35の適用金利を一定期間引き下げる制度(フラット35S)などもあります。

 

なお、フラット35を利用するためには、住宅金融支援機構が定めた技術基準をクリアした物件であることや、床面積の定めなど、一定の条件があります。



財形住宅融資の特徴

 

・財形貯蓄をしている人しか利用できない

・5年ごとに金利が見直される5年固定金利型、上限下限の設定なし

・限度額は、物件価格の90%以内で、財形貯蓄残高の10倍以内(最高4,000万円)まで

・返済期間最長35年

・適用金利は申し込み時点のものが適用される

・当初5年間0.2%の金利引下げの特例措置がある

・他のローンと併用可能

 

財形住宅融資は、財形貯蓄を1年以上続け、借入申込日前2年以内に財形貯蓄の預入れを行い、かつ、申込における貯蓄残高が50万円以上あるなどの条件を満たした人が利用できる融資です。

 

財形貯蓄には、一般財形貯蓄、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄の3種類があり、いずれかを利用している必要があります。

なお、この貯蓄はお勤めの会社に財形貯蓄制度がないと利用することができません。

 

特徴的なのが、適用金利は申し込み時点ではなく、融資実行時点の金利となるのが一般的であるところ、財形住宅融資の場合は、申し込み時点の金利が適用される点です。申し込み時の金利となるため、融資実行時までに金利が上がってしまうリスクを避けることができます。

 

また、中小企業にお勤めの方や子育て世帯には、当初5年間0.2%の金利引下げの特例措置が設けられています。

 

注意したい点は、金利の見直しが5年ごとにある点とその見直し金利の上限が設定されていない点です。2021年4月現在では年0.7%前後ですが、5年後に金利が急上昇した場合、利息の支払いが想定以上に増加することとなります。

 

財形住宅融資を利用する場合、短期間での借入、もしくは少額の借入をおすすめします。

他の住宅ローンとの併用も可能なので、フラット35と併用して、金利上昇リスクに対応しつつ、金利低下のメリットを受けるという使いかたもできます。



民間ローンの特徴

 

・さまざまな金利タイプの選択が可能

・信用保証会社の保証が必要

団体信用生命保険への加入が必要

 

銀行などの民間金融機関が独自に扱っている住宅ローンで、融資条件は金融機関ごとに異なります。公的ローンに比べると物件に対する制限が少なく、申込者本人の就業状況や収入状況などが重視される傾向にあります。

 

金利タイプは変動金利、固定金利、固定金利選択型から選ぶことができるため、変動金利を考えている方は、銀行等からの借入を検討することになります。

 

原則として民間ローンの場合は、団体信用生命保険への加入が融資条件でであるため、保険に加入できない場合は、融資が受けられないのが一般的です。



それぞれの特徴を理解して、最適な住宅ローンを選択しよう

 

住宅ローンといっても、借入先によって、様々な違いがありますし、メリット・デメリットもあります。住宅ローンの支払いは長期に渡ります。借入先を選ぶ際は、自分の選びたい金利タイプや支払方法があるのか、適用金利はより有利なものか、手数料や保証料はどの程度かかるのかなど、しっかりと確認して納得したうえで選ぶようにしましょう。